第1回 上海(2002年1月31日〜2月3日)

◆2002年1月31日(木)

早朝5時45分に株式会社永昌堂印刷様に彦根チームは集合。この日は非常に寒く小雪混じりの天候で関空までの道中が心配される。雪も八日市市をすぎるころから無くなり、後は事故の心配だけであったが、集合時間の15分前に無事関空団体集合出発ロビーに到着し、JTBの西村さんと合流。8時30分までにこの日の出発組13名全員そろい上海に向けて出発。10時30分発JL793便はほぼ満席で、海外旅行が不振と言われていても、この路線は違うようだ。上海浦東空港に10分遅れで無事到着。やまとカーボン社滝本社長を除きスムーズに通 関。先発で青島からの奈良アイプリコム社長中西さん、許さんと合流。そして、香港三菱重工の大塚さん、沈さん、上海のコーディネーター役の馬さん、袁さんも合流して、19名の大所帯で、上海印刷企業の中でも上位 に位置する界龍印刷に向けて出発。グループ企業8000名、PS版の自社工場も完備し、そのグループの龍桜彩 色制版有限公司を見学。東京の池端包装さんと1991年に合弁し、製版のノウハウ等は恒陽社の技術指導により日本製品と遜色ないものが出来る環境を整備。印刷機はハイデルベルグ社製、三菱重工製菊全版4色・5色機を完備。隣接する界龍印刷本社工場も引き続き見学。印刷体制は2直20時間交代のシフトで、印刷単価、人件費、経常利益、等質問のなかで、中国印刷事情を少し理解して頂けたのではないかと思います。

次に、7年前より香港から進出した、アメリカ系中国人社長の豪森印刷有限公司を見学。上海工場は100人規模で重慶にも最近新工場建設。アメリカ流合理的感覚の経営方針に皆さんの戸惑いが見受けられる。得意先には松下、ソニー等日系企業、コダック、ビュイック等アメリカ系企業からの受注は品質の高さをうたい文句にするだけの事はある。印刷機は三菱重工製菊全版4色機2台。製本機に、中国製の折り機等が見られた。寒くても工場には暖房設備もなかったのだが、アカギレの手をした女の子がいても彼女たちの待遇は良いという、葛社長独特の方針に一同納得したような、しないような状況であった。印刷体制は2直24時間交代のシフトである。日がどっぷり暮れる6時頃まで見学し、夕食会場へ。紹興酒が気分を和らげるなか、自己紹介で懇親を深めて行き、その後ホテルにチェックイン。

◆2月1日(金)

8時にホテルロビーに集合し、大阪に本社を持つ日系企業西口印刷有限公司を見学。1992年に中国資本20%日本資本80%の合弁会社として発足後、1995年に100%日本資本の会社となり、現在300名で印刷工程の自社完結体制完備の工場。現在の敷地は1万平米だが、1キロほど離れた5万平米の土地を確保し、8400平米の新工場を予定されている。上海の輪転印刷機導入は一番早く、立ち上げから、ここに来るまでのご苦労は計り知れないものがありますが、総経理今井國雄様、小森印刷機出身の松島副総経理の力が大きい事は言うまでもないと思います。工場は、見ていても安心出来る日本の印刷工場で、B2輪転機2台、B3輪転機1台、平台機が小森製リスロン菊全から菊半裁まで7台位 。売上の50%近くが、大手スーパーマーケットの広告。見本として上海日本人向け情報誌「上海ウォーカー」をいただきここで印刷しているんだと感心してしまった。ちなみにYAHOOの検索で上海を入力するとこのサイトが一番に現れる有名ホームページである。従業員300名の中で、日本人は5名。若い従業員さんは上海は結構暮らしやすいのでもう日本には帰りたくないようなお話しが印象的でした。ここまでに中国系、アメリカ系、日系の印刷会社の会社業態を見る内に、中国印刷レベルの高さに参加者の皆さんの認識がほぼ変わったのではないかと思います。パークホテルにて日本人好みの中華で食事後、佳文印刷さんを見学。如何にも下町という風情に会社周辺を見ているだけでも楽しい。40名規模の会社で、日系企業とのお付き合いも多く、晨煕広告という別 会社もありデザインから製本まで完備した会社である。ハイデルベルグ社菊半裁4色・2色機各1台リョウビの軽オフ1台。イメージセッターはスクリーン製のカタナという機会が導入されていた。小さい規模ではあるが、工夫が随所に見られ昨日から見学している大きな印刷会社と違って何故かほっとする会社であった。皆さんの中国の印刷会社のイメージに一番近い会社ではなかったか。本日最後で、デザイン会社のHEARTEN BUSINESSを見学。陳社長は10年間香港にてグラフィックデザインを勉強後上海に戻り、創業。家具、お酒、銀行、鉄工と中国でも指折りの得意先を持ち、Mac G4を7台駆使してデザイン業務及び印刷管理まで行う品質優先の会社。銀行のデザインマニュアル作例を見て一同感心。

上海市淮海中路の襄陽服飾礼品市場またの名を偽物市場を見学。ブランドコピー品の激安商品を買うも好、眺めるだけも好。皆さんちょこちょことお買いになってました。

夕食は、玉葱のようなテレビ塔下のレストランで、外灘を見ながらの食事。デザイン会社HEARTEN BUSINESSの陳社長もお見えになって、乾杯、一気飲みの嵐ですごい盛り上がり。紹興酒の空き瓶を見ただけで気が遠くなる。ここの酒代は団長の永昌堂印刷株式会社北村社長さんに出していただき、感謝致しております。それにしても皆さんホントに良く飲む。

◆2月2日(土)

早朝8時にホテルロビー集合し、中国人研修生送り出し機関の崇明国際経済技術合作有限公司見学に出発。ハードな日程、睡眠不足と中国に来ている感覚ではなく、何処に来ているのだろうと言うような、頭の中がごちゃごちゃになって、皆さんに疲労の色がかなり見える。崇明県は特別 開発区に指定され、ここに進出した場合にも税制面で優遇される。上海周辺には10個の開発区があるが、一番有利な開発区である。ここは島で渡るのに船で1時間程かかるが、この辺の不便さも有利な条件となっているのかもしれない。中国人研修生の詳細をお聴きし、2月10日頃に日本の縫製工場に向けて出発する女の子の日本語研修風景を授業参観。2ヶ月ほどの研修で日常会話が出来るようになる位 までにするそうだ。若い事と、集中力は何でも可能のような気がする。島の進出企業を車の中から見学し、昼食。昼食時にも崇明県の特別 開発区についての説明があり、進出はまだ可能という感触をつかんだ。帰りも車は桟橋横付けのVIP待遇と超高級中華料理のおいしさに一同感激。帰りの船は高速船で40分程度にて上海に戻る。ここから最後の見学会社、秋雨印刷上海有限公司に向けて出発。高速道路の停滞で遅刻をしてしまう。三菱重工香港総経理の宇都宮さん以下5名のスタッフの方にお集まりいただき、通 訳等いろいろな説明を頂く。秋雨印刷さんは台湾から1993年の進出企業で従業員165名と言えばたいしたこと無いと言う感じだが、この完成直後の新工場は、参加者の度肝を抜く最新設備でここまでするか?と言う衝撃で口をあんぐりされていた方も多かったようです。和歌山から参加の西岡総合印刷劉影さんは「私こんな事務所で働きたい、すごくいいです。」と言うような感想でした。私が、履歴書出しておけばと言っておりましたが、私は石橋社長にお世話になっているので、そんな事は出来ません。と返事があり石橋社長ご安心を。受付ロビーはまるで美術館のロビーのごとく、事務所はアメリカ映画の1シーン出てくるがごとく、工場を見ればあまりの広さに機械の大きさが全然判らず、ここが本稼働すれば大変な事になると言う感じで、これから進出してきても私たちにかないますか?と言うすごい自信を感じました。特に印象に残ったのがハイデルベルグ社・三菱重工社製のA版輪転印刷機で現在は16頁仕様ですが、今後2台とも今ある機械の上にも1台増設して、32頁仕様にということでスケールの違いを見たような気がします。今後日本からも、書籍、月刊誌の印刷が流れてきても不思議は無いでしょう。製本も日本製の中綴じ、平綴じのラインが完備。枚葉印刷機も小森製、三菱重工製多数あり、初めて中国製の印刷機も見学出来た。この工場で、165名の従業員でオペレーションするというのもすごいという思うが、人件費の安い中国に於いても、自動化を推し進めていき、総売上の中の人件費比率7%を達成。現在、北京にはこれと同規模の工場、南京には営業所を建設中との事である。やまとカーボン社滝本社長は秋雨印刷台湾本社を見学されてましたが、本社よりすごいとのお話しでした。会社社屋の設計は台湾からアメリカで勉強された設計会社に依頼されたそうで、このモダンなデザインは中国の感覚ではないなぁーと思いつつ、中国でも、これが受け入れられる土壌が出来てきたのだと思う。秋雨印刷様の最新印刷機械は輪転、枚葉機を含めて三菱重工製、豪森印刷有限公司、龍桜彩 色制版有限公司も同じく三菱重工製。中国進出は遅かったと聞くが、何処の印刷会社に聞いてもドイツ製、日本製他社と比べてアフターサービスが良く、安心出来ると言う意見が多かった。三菱重工現地スタッフの優秀さも含め、中国市場にかける会社の意気込みも感じられ、認識を新たにしました。夕食は、遅くなってしまいましたが、上海でも1番のビジネス街、官庁街にある森ビルの最上階日本食レストランで会食。秋雨印刷陳総経理、蘇副総経理、日本の印刷会社との合弁企業上海友木強洪印務有限公司の方、そして三菱重工の皆さんと楽しい会食でありました。日本料理、日本酒で最後の夜と言う事もあって気がゆるみ少し飲み過ぎてしまいダウン。玉 葱のテレビ塔、上海で1番高いセンチュリーハイアットビル、外灘を眺めながら、最高の場を設営していただいた三菱重工さんにはホントに感謝します。本来、上海スタッフとのミーティングあったのですが、ダウンしてキャンセル。そして、皆さんが何処に行かれたのかは、判りません。この日、印刷関連業界とは別 で参加いただいております、一圓テクノス株式会社、一圓専務さんは上海ダイキン工業、建築設計会社の株式会社RIAにいかれて、上海で設備施工図を作製が可能かどうかの調査に行かれておりました。西岡総合印刷株式会社石橋社長は、上海にお兄さんがいらっしゃるために別 行動でした。

◆2月3日(日)

この日は、見学もなしで、ゆっくりの9時30分に集合。ホテルでは日本のNHK BS2放送が見られるためその時間と、現地時間を間違えて、早く集合と言う事がありました。逆だと困るけど、早い分には有難い。本当は骨董市などを見学して、空港に行く予定でしたが、上海の銀座のような淮海中路を散策。お茶、漢方薬等のお土産を仕入れて浦東空港に向けて出発。この日、奈良アイプリコム社長中西さん、許さんは全日空機便で出発時間が早いため別 行動。JL794便ジャンボ機満席で、関西空港6時着。またまた、やまとカーボン社滝本社長を除きスムーズに通 関。サングラスが問題ではないか?(笑)ロビーで解散後、家路に。

参加者の声

株式会社アイカ 渡邉 照雄 様

あぁー………………疲れた! 上海視察ありがとうございました!
出かける前から風邪気味でしたが、昨日は仕事に成らず。
今日からエンジン全開。今後とも公私にわたりご指導ください。

やまとカーボン社 代表取締役社長 瀧本 正明 様

この度の視察は私の中国を見る人生観が360度変わりました。今迄何度も中国観光旅行のお話は有りましたが今回中国へ行って、なんでもっと早く行かなかったのか後悔してます、また今回の印刷会社ばかりの見学はツアーでは体験出来ませんツアーでした、又色々な方にいいたい放題、したい放題好き勝手にさせて頂きました無礼講はお詫び申しあげます。 これに懲りず反省会には声を掛けてください、もし良ければ京都で一泊コンペでも結構です、早い目に言って頂ければ段取りします。 今回の視察旅行ありがとうございました。

西岡総合印刷株式会社 劉  影 様

上海印刷関連企業視察旅行 大変お世話になりました。 いい思い出がたくさん出来て、とても楽しい旅でした… 本当に疲れました。骨までも…次回ツアーはDTP部門を中心に企画してくだされば、とてもすばらしい企画だと思います。縁(円?)があればぜひ参加させて下さい。 今回で見たところは日本企業でも、合弁企業でも、台湾の企業でも、膨大な設備投資は大きな比率をしめていますが、しかし、投資が少なく、前工程だけで、これらの投資の巨人と勝負して、どうやって、勝てるか…というプランを頭の中でイメージして、胸がわくわくします…

今回は、あっという間の4日間だったと思います。たまたま、日本側のパートナーであります呂さんと知り合った事。呂さんの幼なじみの上海側のパートナー馬さんの協力無くしては今回の視察は成功しなかったと思います。有り難うございました。私は、3月に上海に行き次回のDTP関係を中心とした会社を下見して参ります。やまとカーボン社瀧本社長様より京都印刷工組青年部も次回のツアーに参加させて下さいとの事もあり、反響の大きさと満足頂けたのではないかと思っております。今後は、中国人研修生の受け入れ母体造りを押し進めて参りたいと思っています。皆様のご協力宜しくお願いします。最後に、団長として数々のリーダーシップと助言いただきました北村社長ご夫妻には感謝致します。
そして沢山のご縁が出来た事、有り難うございました。再見。
有限会社田中印刷所 代表取締役 田中 由一

参加者名簿

株式会社 永昌堂印刷 北村 昌造 代表取締役
株式会社 永昌堂印刷 北村 妙子 取締役
宮川印刷 株式会社 宮川 芳夫 代表取締役
愛知印刷 株式会社 森野  隆 代表取締役
有限会社 下村印刷所 下村 郁夫 専務取締役
西岡総合印刷 株式会社 石橋 英二 代表取締役
西岡総合印刷 株式会社 劉   影 翻訳部
株式会社 アイプリコム 中西  知 代表取締役
株式会社 アイプリコム 許  東暁 奈良女子大学
株式会社 アイカ 渡邉 照雄 代表取締役
株式会社 やまとカーボン社 滝本 正明 代表取締役
三菱重工近畿販売 株式会社 内村 建治 印刷機械部
一圓テクノス 株式会社 一圓 外志夫 専務取締役
有限会社 田中印刷所 田中 由一 代表取締役
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