第6回 長春のレストランの話をしよう。|中国でのビジネス経験と海外向け|映像制作・3DCG制作の田中印刷所

長春のレストランの話をしよう。

長春の食堂と、中国で感じた食文化とビジネスの違い

長春の食堂について少し話してみようと思う。

長春の主な料理は東北料理。家庭料理が中心で、海鮮のような華やかさはなく、どちらかと言えば素朴な料理が多い。

■ 水餃子とニンニクの文化

日本で話題の餃子は、東北料理には欠かせない存在だ。ただし主流は焼き餃子ではなく水餃子である。

日本人は餃子といえば焼き餃子を思い浮かべるが、中国ではあまり一般的ではない。

実際に注文すると、見た目は似ていても味はかなり違う。そして多くの日本人は、日本の餃子の方が美味しいと感じるかもしれない。

その理由のひとつがニンニクだ。

中国の水餃子には、餃子の中にニンニクが入っていないことが多い。そのため、どこか物足りなさを感じる。

現地ではタレにおろしニンニクを入れたり、さらにワイルドな食べ方として、生ニンニクをそのままかじることもある。

私も最初は戸惑ったが、この食べ方をして初めて「餃子が美味しい」と感じるようになった。

やはり食文化というのは、その土地の食べ方で食べてこそ完成するのだと思う。

■ 食文化の違いと戸惑い

ただし注意点もある。

中国滞在中は商談もあるため口臭を気にしていたが、周囲は皆ニンニクを食べているため、そこまで気にする必要はなかった。

いわば「みんなで渡れば怖くない」である。

一方で、日本との大きな違いも感じた。

  • 餃子は主食であり、おかずではない
  • ご飯と一緒に食べる文化がない

つまり、日本でいう「餃子ライス」は存在しない。主食と主食を一緒に食べるようなものだからだ。

どうしても食べたくて頼んだところ、特別に賄いのご飯を出してもらったことがある。

そのとき「日本人は主食だけで食べる」と思われたのではないかと感じた。

ラーメンライスなども含め、日本の食文化を改めて考えさせられる体験だった。

■ 日本の中華料理との違い

日本ではラーメン、餃子、チャーハンなどが「中華料理」として定着している。

しかし中国の食堂では、これらのメニューを探すのに苦労する。

つまり、日本で食べている中華料理は「中華風日本料理」なのだ。

特にラーメンは、日本独自の進化を遂げた料理ではないかと感じている。

■ 辛い料理との付き合い方

中国料理の中でも四川や湖南料理は非常に辛いことで有名だ。

店名に「川」や「湖」が入っていれば、ほぼ辛い料理だと思って間違いない。

何度か挑戦したが、私にはどうしても合わなかった。

ただ最近、ひとつ対処法を知った。

  • お湯をもらう
  • 料理を軽くくぐらせる
  • 唐辛子を落とす

これでかなり食べやすくなる。

辛い料理が苦手な人にはおすすめしたい方法だ。

■ 長春の食堂「向陽屯」

長春でよく訪れる食堂に「向陽屯」という店がある。

毛主席時代の民家を再現したような空間で、当時のポスターや銅像が並ぶ独特の雰囲気だ。

部屋ごとにテーマがあり、風刺画や詩が描かれている。

一見すると装飾だが、当時の社会背景を考えると、そこには「表現できなかったもの」が隠されている。

この“裏を読む感覚”は、中国のビジネスにも通じるものがあると感じている。

■ 中国ビジネスとの共通点

中国では、表に出ている情報だけで判断するのは難しい。

人間関係や背景を読み取る力が重要になる。

この感覚は、制作や提案の場面でも活きていると感じている。

■ まとめ

食文化の違いを通じて、その国の考え方や価値観が見えてくる。

中国での経験は、現在の仕事にも大きく影響している。

当社では、こうした視点を活かした映像制作・3DCG制作にも対応しています。


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前に書いた、「金婚」のドラマに出てくる1960年代から1970年代の世界である。
毛主席の銅像があり、壁には当時のポスターが貼ってあったりする。いくつもの個室があるが、それぞれに個性があって楽しい。風刺画と詩が書いてある部屋もあるが、書いてある詩の内容をそのまま受け取ってはいけない。当時のいろいろなものをオープンに出来ない事を、様々な形に変えて表現している裏を読まなければいけない。私はただただ、文字のおもしろさと、味のあるイラストを楽しんでいたのだが、それだけではなかったのだ。

自由にものを表現することが出来なかった時代に、地下とか裏で当時の人達の遊び心を知ることが出来る。この感覚は、中国のビジネスに今も脈々と生きているような気がする。中国ビジネスの人間関係の裏を読まなければ、中国で成功するには難しい。

いやはや、奥が深い。以前来たときに、欧米人の団体が来ていた。料理も当時の料理だし、中国のノスタルジーを感じるには良いお店である。しかし、一緒に来たことのある老夫婦にこのお店はどうですかと聞いたことがある。「当時のつらい生活を想い出すのでいい感じではない。」「今、中国ではいろいろな問題があるが、この時代よりはマシでこの時代には戻りたくない。」という話だった。

私には、落ち着いて心あたたまる空間なのだが、実体験をしてきた人達にとっては違う感覚があるのを理解した。私は始めて連れてきて貰ったのは、芸術大学の学生達である。芸術大学の学生達にはお気に入りの場所でも老世代がいい意味でノスタルジーを享受出来るのはまだまだ先のような気がする。

私には戦争体験がないが、日本の第2次世界大戦と同じ感覚なのかもしれない。長春にはこの様なお店が後一軒知っているが、私は「向陽屯」が好きである。欧米人もかなり来ているようだし、このお店が観光客目当てに変化しないことを望むばかりだ。いつまでも芸大の学園祭の乗りであって欲しい。

2008年2月